“コロナ禍を生きる子ども達に大人ができること”
2020年を経て見直した
私たちの取り組み
2020年 世界が初めて出会う未曾有の事態に、園も大きな変革を余儀なくされました。
大好きな幼稚園に通えない。楽しみにしていた行事ができない。
挙げたらきりがないほど、これまでの当たり前が当たり前ではなくなっていきました。
私たちはこの状況に悩み、葛藤し、模索を続けました。
そして、できないことに目を向けるのではなく、
“このような状況だからこそできることはなんだろう”と自分たちに問い続けました。
私たちが保育で大切にしていきたいことに向き合う時間でもありました。
運動会の変革 〜結果よりも過程を大切に〜
運動会では今まで年長児が組体操に取り組んでいましたが、より子どもたちが主体性を発揮できる形を目指し、他園の実践を参考にしながら職員間で話し合いを重ねました。
そして、チャレンジゲームと称した競技へ変革していきました。
2020年は、円の中心にあるペットボトルを取り出すため、子どもたちが自作したアイテムを使用して、入っている水の量を競うゲームです。大きなルールはシンプル。先生の力は頼らない、自分の頭と手で作ったアイテムしか使えない、この2つだけ。
いざ活動が始まると、子どもたちの持っている力に驚かされました。
- どうすればペットボトルを取り出せるか考える想像力
- アイディアを実現するための手先の技術や道具を使った創造力
- 何よりも一つの目的に向かって仲間と協力する力
チャレンジゲームを通して、さまざまな力の育ちを目の当たりにしました。まさに、過程の中での多様な経験が子どもたちを逞しく力強く成長させてくれました。
自信を確固たるものに 〜目標を掲げて挑戦していく〜
コロナウイルスによって例年取り組んでいた劇あそびの開催が難しくなりました。
年長児が卒園に向けた最後の1学期をどのように過ごしていけばよいか。私たちが辿り着いた答えが〝自信〟でした。「自信を確固たるものにして卒園してほしい。」このような思いから新たな〝挑戦〟が始まりました。
入園からの数年間、園生活を通して、子どもたちにはそれぞれ多様な好きや得意があります。コマ・縄とび・手芸・木工・乗り物・絵本作り・・・。その中から自分で目標を決めて挑戦することになりました。
- コマの手乗せに挑戦したい!
- 刺繍で素敵な作品を作ってみたい!
活動は個々の挑戦でしたが、隣には必ず仲間がいました。時には、寄り添い・励まし・勇気づけ、目標が達成できた時には自分のことのように喜び合う仲間関係が育っていました。